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「数学の基礎」第5節の、「冪理論」の解説のところで、一般に1変項述語記号 σ があるとき、どういう場合だったら「理論 σ」という言い方をすることが許されるのかについて説明が無かったので、これに関する説明として、以下の段落を追加しました:
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さて、上記のようにしてもとの理論を拡大して得られた理論は、「既存の理論 τ の τ 項あるいは新たに理論に付け加えようとしている対象を表わす項」に関する理論です。そして、ここで新たに導入された1変項述語記号 τ^P は、そのような項(の一部)であることを意味する述語であり、前節で解説した存在述語記号の名でよばれる権利を持っているといえます。
そこで、今後はこのように新たな存在述語記号 σ の追加とともに拡大された理論のことも理論 σ とよび、σ(T) を満たす項 T のことも σ 項とよぶことにしましょう。
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(3月23日追記:上記の修正に更に手を入れて
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さて、上記の理論拡大において、τ^P(A) というのは、項 A が「冪項」という“実体を持った項”であることを意味しています。つまり1変項述語記号 τ^P は、もとの理論における存在述語記号 τ とは別の、新たな存在述語記号とみなすことができます。
そこで、今後はこのように新たな存在述語記号 σ の追加とともに拡大された理論のことも理論 σ とよび、σ(T) を満たす項 T のことも σ 項とよぶことにしましょう。
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のように修正しました)
その趣旨は、「1変項述語記号 σ があれば何でも『理論 σ』とよんでいいんだ」ということにはならない、ということです。
実際、このようなことを一般的に許すと、パラドクスが生じてしまいます。なぜなら、
τ(T) ≡ ¬⊥
と定義すると、∀x τ(x) が成り立ちますが、このような“理論 τ”上に冪理論を構築すると、Ω ≡ { x | ¬x∈x } についてはラッセルのパラドクスの論法により ¬τ(Ω) が導かれますが、他方で ∀x τ(x) により τ(Ω) が得られますから、見事にラッセルのパラドクスが再現されて矛盾します。
要するに、「理論 τ」とよぶことができるような1変項述語 τ というのは、「将来導入されるであろう項までが τ 項になってしまう」ようなものであってはダメで、“それを満たす項が、既に定義された項の範囲に限定されている”必要があるのです。
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